☆ 高畠先生は何がきっかけでお箏の世界に入られたのでしょうか?

― 父方の実家が富山県氷見(ひみ)市でして、小さい頃から毎年、盆と暮には家族と帰省していたんです。祖父の姉、つまり大伯母(私が生まれた時にはすでに他界)が氷見では結構知られたお箏の先生でたくさんお弟子さんもいたそうで、その大伯母の娘(父の従姉=伯母)が父の実家の近くに住んでいて、やはりお箏を教えていたので、私も最初にこの伯母に手ほどきをしてもらったんです。

 

☆ それは何歳の頃ですか?

― 忘れもしない()、小学校6年生の冬休み。富山の冬は寒いんですよ、外に出て遊ぶこともできず、ちょうど遊び相手の従兄弟も来ていなくて。家の中にいて、お正月だからとくにテレビも子供にはつまらないっていう状況でした。それで、たまたま伯母の家に行ったらお箏があって、6歳からピアノをやっていたことも手伝って、なんとなく触ってみたらすぐに馴染めたみたいです。


   いちばん初めの曲は?

― ぜんぜん覚えてない!でも、手を取ってもらって、「テンテンテン」って教えてもらったことは覚えてます。伯母は古い楽譜をどこかからひっぱり出してきて、多分宮城の小曲集だったかなぁ。弾いてみて、これは面白いなあと思いました。余談ですが、大伯母は結婚して伯母が生まれた後に実家に出戻り、離れでお箏の先生をしていたそうです。父はその箏の音を聞いて育っていたという訳で、せっかくだからと父もお箏の前に座らされたことがあったみたいです。でも、周りが近所の女の子ばっかりでしょ、だから父は恥ずかしくて習わなかったと後になって聞きました。

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高畠一郎先生に聞く
直撃インタビュー・シリーズ@
てほどき
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